風呂では決して使わないのに何で風呂敷なの?

大きさは、縦横それぞれ70センチ前後のものが多く、素材は化学繊維が全体の60%。そんな風呂敷だが、なんでも包めてもち運びが便利になり、使わないときにはとてもコンパクト。場所も取らない便利なアイテムなのだがそのメリットとは裏腹に現代の生活では使う機会は非常に少ない。

元々風呂敷は荷物をもち運ぶために包むものではなく、その名の示す通り、風呂場で使うものだったのだ。

 

奈良時代、衣類を包むための「平包」という布があり、自分の着物と他人の着物を間違わないよう平包(ひらづつみ)に包んでいた。それではなぜ、平包が風呂敷という名前に変わったのだろう。

室町時代になると風呂が流行し、大湯殿が建ち、大名衆が一緒に入浴するようになった。その際、着物を平包で包んでおき、風呂から上がりに包みをほどいてその上に座る。そして湯上がりの体を休ませてから衣服を着た。

やがて、江戸時代の天和年間(1681〜1683)や貞享年間(1648〜1687)には、「風呂のあとに敷く=風呂敷」と呼ばれるようになったという。

この頃、大湯殿での入浴は、男子は風呂ふんどし、女子は湯文字(和装下着)を着て入浴するのが習慣だった。

入浴後にそれらを包んで持ち帰るためにも風呂敷は必須となり、銭湯が発達していくとともに一般庶民にまで普及していった。

 

風呂敷の使い道として、蒸し風呂の床板に敷いたり、湯上がりの足拭きにも使ったりしたという。

江戸中期頃には風呂ふんどしや湯文字などを着用して入る習慣がなくなり、脱衣かごや棚が登場。本来の「風呂敷」としての役割が薄れていくことになる。

 


Also published on Medium.


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.