火星には宇宙人が住んでいる。勘違いから始まったお話

これだけ科学の発達した現代においてもまだまだ我々は宇宙に関しては知らない事が多い。この広い宇宙で生命の存在が確認されているのは、地球だけだ。

だが地球外生命体の存在を信じて、今尚多くの人たちが研究を進めている。

地球以外の天体で、生命の可能性があると最初に考えられていたのが火星である。

19世紀の後半、火星には人間のように知能をもった知的生命体がいるという説が発表がされ、世の中を大きく驚かせた。

この発表をしたのは、アメリカの元実業家で天文学者へと転身したパーシヴァル·ローエル。

ローエルがこの説を唱えるきっかけとなったのは、イタリアで観測された火星のスケッチであった。そのスケッチには長い溝のようなものが描かれており、それが運河であると記されていたからだ。

彼は、運河は船を移動させるためにつくられた人工的な水路で、それなら知的生命体がいるはずだと考え、私財を投じて天文台をつくり、火星の観測に没頭した。

そして、10年間の観測をおこなった結果、ローエルは「火星には巨大な運河が存在し、それをつくったのは火星人である」と発表した。

この発表は、天文学者のみならず、一般の人々にも衝撃を与え、たくさんの人たちが天体望遠鏡を買って火星を観測する火星ブームと繋がっていく。

だが、その後の観測によって火星に運河が存在するというローエルの主張は否定された。火星人もまだ見つかってはいない。ローエルが信じた火星の運河は初めから存在しなかったのだ。

ローエルに運河があると信じ込ませたイタリアでのスケッチには、「筋(すじ) 」を意味するイタリア語である「カナリ」と表記されていたのだが、それが英語に翻訳されるときに「運河」を意味する「カナル」に誤訳されてしまっていた。

この誤訳がなかったら、ローエルの人生は変わっていたかもしれない。


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